ホールランゲージ

言語教育では、米国に「ホール・ランゲージ」というアプローチがあります。1980年代の後半から始まった言語教育の理論と各種の実践方法が存在します。日本でも多くの賛同者がおり、実践されています。ホール・ランゲージはどちらかと言えば純粋な言語理論というよりは、学習者の実態や素朴な言語意識を基礎とした言語学習の基本的なアプローチと実践であります。ホール(whole)は部分に対する全体という意味であります。言語の学習は部分から全体にという方向ではなく、意味あります。全体から学んでいくことが自然な方法であるという考え方にたっている。したがって部分やスキルだけを取り出しての練習方法に対しては否定的な考え方を持っています。

ホール・ランゲージのホールとは、全体とか丸ごとという意味であります。ホール・ランゲージでは、全体は部分を寄せ集めた総和以上であるという前提に立っています。「部分」より「全体」を重視する考え方は、教材や単元開発を行うときにもあてはまります。これは学習内容を人間の日常生活においても起きる事象であります。これらの事象はいわば「全体」であります。その「全体」を分析し細分化して、学習内容や教材化してしまうと、いつしか「全体」と「部分」の関係が失われていってしまいます。また、細分化された「部分」からは、全体構造も見えなくなってしまいます。

つまり内的関係性が失われてしまうからです。そこには「全体」が持っていたみずみずしい命は失われていってしまいます。細分化された言葉の「部分」からは、少しもエネルギーが感じられなくなってしいます。なぜなら「全体」は「部分」の総和以上の情報を提供してくれるからです。こうなると児童生徒は、教材に対する学習意欲を喪失してしまいます。そこで、教材を児童生徒に与える際には、細分化されて「全体」と「部分」との関係が失われたことに対して、「全体」と「部分」との関係を取り戻し、内的関係性をつけていく作業が必要になってきます。命が失われた「部分」である学習内容に対して、もう一度命を与えて、児童生徒に戻してあげることが重要になります。部分を規則的に組み立てると「部分」と「全体」を繋ぐ、橋渡しの作業を教師や教材が行わなければならないのです。

ホール・ランゲージに関する7つの原則は次のようになります。 

1.授業は全体から部分へと進めるべきである。  
2.学習とは学習者による知識の能動的な構成であので、授業は学習者中心であるべきである。学習とは、情報の単なる伝達ではない。 
3.授業は現在の学習者にとって、有意味で、目的のあるものでなければならない。
4.授業は社会的なインターアクションと学習者を結び付けるものでなければならない。グループで、或いは生徒同士で学ぶことで、協力して上での大切なスキルを身につけていくべきである。  
5.授業は話し言葉と書き言葉の両方を伸長するものでなければならない。初期の段階から読み書きを取り入れていくことは、アカデミックな能力(competence)を養うために必要である。  
6.概念を構築したり、英語の習得を容易にするためには、授業は母語である第一言語で行われるべきであり基礎言語(primary language)の十分な発達は、外国語の習得を容易にするし、第一言語や文化を知ることは、自尊心を植え付ける。 
7.学習者を信頼した授業は、学生の潜在能力(potential)を伸長する。生徒を信頼している教師は、学習者を信頼した活動(activity)を用意するものであります。

フォニックスにおいて幼児期や小学校低学年に置ける典型的な言語習得の一つは、ビッグブックと呼ばれる絵本活用であります。子供達の人気があります。絵本を大型化したもので、それを教師が読み聞かせ、子供はそのお話を聞きながら、同時にかかれている文字を見ながら、自然に活字の世界に誘われ、活字意識を高めていくのであります。ホール・ランゲージのアプローチは言語を学ぶ、言語を通して学ぶ、言語について学ぶという3つのレベルを、一体的に扱っていく学習方法なのです。テーマを単元ごとに決めて、教科を総合的、横断的に取り扱っていくことも特徴の一つであります。

ケネス・グッドマン氏が提唱したホール・ランゲージの理論は、アメリカで多くの支持者を持っており、決して英語文化圏の国語教育のためだけのものではありません。ホール・ランゲージは、読みの導入にビッグ・ブック(大型本)を使い、process writingを用いるが、だからといって単なる「国語」ではない。教師はカリキュラムの全般に渡ってホール・ランゲージを実践します。また、ホール・ランゲージはスキルを直接教えるようなことはせず、実物教材(real literature)を使用して本物の活動(authentic activities)に生徒たちを取り込みますので、ホール・ランゲージはスキルを全く教えない訳でありません。フリーマン氏は、ホール・ランゲージはルソー、モンテッソーリー、デューイといった先人の教育観に根差し、グッドマン、クラッシェン、カミンズなどの言語理論を背景としていることを明らかにしています。そして、ホール・ランゲージを信奉する教師たちは、自らの教室での実践を通じて研究を重ね、結果を他の教師や研究者と分かち合い、高い専門性を維持しています。

フリーマン氏は、ホール・ランゲージは学習者の年齢や能力に左右されることなく有効な方法であり、特にバイリンガル学習者にとっては唯一の効果的な方法なのかもしれないと言っています。これまで多くのバイリンガル学習者が学校で受けてきた教育には欠陥がある、過去のデーターが指し示すように、英語力は向上には大きな効果を上げなかったと言います。伝統的な言語教育は、バイリンガルの生徒にはあまり効果がなかったということになりますが。多くの教育者たちは、第二言語学習者をどう扱って良いのか分からず、ほとんど何も知らなかったので、常識的な仮説に基づいた教育をしてきたと説明しています。

特に、授業は母語である第一言語で行われるべきであると触れられている原則は、これまでのエマージョン教育の在り方を考えた時、非常に興味深い意見だと思われます。フリーマン氏は、ホール・ランゲージは万能薬ではないとしながらも、ホール・ランゲージに関する上記の原則を取り入れた授業は、生徒たちに学校生活においてより優れた学習効果を示していると言っています。

ホール・ランゲージの理論の基本となるものは言語の全体的な音は単なる単音のつながりでなく、非常に複雑な情報を持っていると言う事であり、同時に全体的な音を構成する各部分の音も非常に多様であると言う事です。

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